天使と呼ばれた配管工に学ぶ、これからの社会の在り方

天使と呼ばれた配管工がアンビリーバボーで紹介される

天使と呼ばれた配管工の場所をご存知だろうか?これは人気番組、奇跡体験アンビリーバボーでも紹介されたが、イギリスで起こった心温まる話だ。

イギリス北西部、ランカシャー州バーンリーで配管工の仕事をしているジェームス・アンダーソンさんという人は、体に障害がある人や高齢者の方向けに、無料で暖房機の修理を請負サービスを2017年から開始した。

そのきっかけとなったのは、ジェームス・アンダーソンさんが白血病の病を患った高齢者の女性の自宅にお邪魔して仕事をした時に、修理後に差し出した請求書の内容が素晴らしかったからだ。
その内容は、「…我々は、あなたのお母さんが心地よく生活できるよう24時間どんな時でも駆けつけます。」コメントされ、さらにその修理の代金を無料にしたというものだ。

この老婆の娘さんは、配管工ジェームス・アンダーソンさんがしてくれた心温まる行為に感動し、Facebookでそのことを紹介した。それは世界中にシェアされ「天使のような配管工」として話題になった。

当初、この天使のような配管工ジェームス・アンダーソンさんは、Facebookで話題になっている事は全く知らずにいたが、その拡散はイギリスにとどまらず、ドイツやアメリカ、国際的通信社までその拡散は及んだようだ。

ここで、天使と呼ばれた配管工ジェームス・アンダーソンさんがお世話になってる会計士さんがジェームズさんに援助し、障害者と高齢者向けに配管・暖房設備の緊急修理会社「Depher」の設立が実現された。

ここで活躍したのは、クラウドファンディングだった。このクラウドファンディングで世界中の人々から約490万円の資金を調達ことに成功し、この金額は当初予定した金額が8倍以上の金額だった。



天使と呼ばれた配管工ジェームス・アンダーソンさんの使ったクラウドファンディング

天使と呼ばれた配管工、ジェームス・アンダーソンを援助したクラウドファンディングは、群衆(クラウドcrowd)と資金調達(ファンディングfunding)を組み合わせた造語で、不特定多数の人がインターネットなどを介して、他の人々や組織に資金の提供や協力などを行うことだ。日本でも盛んに行われており、今回の新型コロナウイルスの感染拡大で苦境に落ちた会社を救っている。

コロナ禍で物流が一時的に止まって在庫処分に困った食材メーカーや生産者を救ったり、顧客がほぼゼロに陥った旅館やホテルの救済に活躍したのは話題になった。それと同じくして、TwitterやFacebookなどのSNSも活躍している。ソーシャルメディアがいかに強いパワーを発揮しているかが分かる。

天使呼ばれた配管工を助けたクラウドファンディングは日本でも活発だ。有名なのは、「CAMPFIRE」「FAAVO」「Fanbeats」「READYFOR」「Makuake」「A-port」など、様々なサービスが設立され、様々な活動をしている。

それぞれの活動で資金を提供する人に対する見返りによって「購入型」「寄付型」「投資型」と分かれている。いうならばどんな形でリターンが返ってくるかによって分けられている訳だ。

購入型」は、クラウドファンディングを行うプロジェクトが提供してくれる権利や物品を購入することによって行う支援となっている。例えば飲食店の立ち上げなどでその食事券を買うとか、予約を優先的に取る権利などだろうか。
支援ももちろんだが、ファンづくりや顧客確保などでも利用される。

寄付型」は、金銭的や物理的リターンがないもの。いわゆる見返りのない寄付だ。今回の天使の配管工ジェームス・アンダーソンさんの場合はこのタイプなのかと想像しているが、実際は定かではない。
寄付という言葉通り、開発途上国への援助や飢餓や災害で被害にあった人々や個人への援助というイメージが強い。

投資型」は、いわゆる金銭的なリターンが伴うもので、これはさらに融資型、ファンド投資型、株式投資型と分けられる。かなりビジネス色の濃い内容となっており、日本では2014年に金融商品取引法の改正によって事業化が緩和されたことから広まったようだ。



天使と呼ばれた配管工に学ぶこれからの社会

こうしたクラウドファンディングは、国や自治体が十分に市民生活をフォロー出来ていない箇所を補う一策として根付いたものだと思う。
事実、天使と呼ばれた配管工ジェームス・アンダーソンさんも、高齢者が本当に直面している問題を何とかしたいという想いから起こった行動だ。

もちろん、社会保障や生活保護、福祉関連で国や自治体はその役割を果たそうと尽力しているが、その大きくなった組織や様々な足かせが、刻刻と変化している現行の社会情勢に対応しきれていない部分がどうしてもある。

また、社会性を重視しすぎると、人の向上心ややる気をそぐ結果になる。人を動かす動力は、優しさや思いやりだけでは不十分なのが実情だ。人を動かすニンジンは、お金だったり名誉だったり食料だったりする。時として、自分の命を守るために理不尽な選択をすることもあるだろう。理屈ではなく実情が大きな力になるという事だ。

現行の社会は、資本家や暴力、権力者にやさしい社会に形作られている。人道主義や弱者救済のパワーはお金儲けや権力者の地位確保の魔力に屈している。国際機関が弱体し、アメリカがWHOを脱退したりするのは、その機関が正常に機能していないひとつの証拠であるようにも思う。

現在、SDGsという目標が掲げられている。このSDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年の国連サミットで採択された目標で、国連加盟193か国が賛同し、2030年までに達成ささえるために掲げられた目標だ。その内容は多岐にわたり、世界じゅうで問題になっている事柄を国をまたいで解決していこうという試みだ。実に喜ばしい事でなのだが、これを主導する実態が本当に市民のために動いているのかという注意は、常にしていかなくてはいけない重要なポイントではあるけれども。
天使と呼ばれた配管工ジェームス・アンダーソンさんの話から国際機関の話になってしまったが、社会がそれほど心温まる話を必要としているという事かなと思う。

現行の社会は発展途上だと思う。それはいわゆる開発途上国といわれるアジアやアフリカという地域という事ではなく、日本や欧米を含めた世界中が当てはまる。それを示しているのがクラウドファンディングの台頭であり、それを支持する市民活動なのではないだろうか。

天使と呼ばれた配管工ジェームス・アンダーソンさんの例は、単なる一例で、これからもいろいろな場所や地域で「心温まる話」が話題になり、心ある人はその活動に支援の手を差し伸べるだろう。それは天使や悪魔という概念が人間と仮の姿だと認識される一過程なのかも知れない。


天使と呼ばれた配管工に学ぶ、これからの社会の在り方

Author: mediapromotion