スマイリーキクチはなぜ殺人犯にさせられた?

スマイリーキクチはなぜ殺人犯にさせられたのか

スマイリーキクチさんが、なぜか殺人犯にさせられてしまった。そもそもは2チャンネルの心無い書き込みから始まったようだ。

お笑い芸人スマイリーキクチさんが、20年近くにわたって「殺人犯」と間違って誹謗中傷された事件を皆様はご存知だろうか。内容がデリケートなだけに記事とする事にも少しためらいがあったが、あまりに恐ろしい中傷事件であるので、あえてここで取り上げてみた。

スマイリーキクチさんの中傷事件は、彼の著書「突然、僕は殺人犯にされた」という書籍が、2012年の有名私立校である開成高校の教材にも採用されたことでも有名だ。もちろん、衝撃的な事件でもあるので様々な番組でも取り上げれれている。

事の発端は、スマイリーキクチさんが1988年から1989年にかけて、足立区で起こった 「女子高生コンクリート詰め殺人事件」と言う痛ましい殺人事件の実行犯と誤解され、それがなぜか2chなどの電子掲示板やチャットサイトで書き込まれたことから始まった。

2008年には中傷者が特定されてある程度の収束にむかったに見えたがまた再燃した。そもそもネットの書き込みが原因なのになぜそこまでの事態に発展してしまったのか?それはインターネットの黎明期であった事が災いしたようだ。
誹謗中傷だけでも大変なのに、殺人犯にまでさせられてしまったとは。

本当に、なぜ無実なのに殺人犯にさせられてしまったのだろう。
驚く事にそれは現在に至るまで今尚続いているという事件なのだ。もう何年も前に「事実ではない」ことを警察の関係者も認めているのに。
それでもいまだに書き込みが続いているとうのだから痛ましい事件だと思う。



スマイリーキクチはなぜ殺人犯に?ひどい中傷

事件発覚の当初は、スマイリーキクチさん本人も、あまりにもくだらないこととして取り合わないつもりだったが、辛辣な批判の言葉や、一部のユーザーがスマイリーキクチさん本人になりすまし、勝手に謝罪するなどその勝手にヒートアップ。一部のネットユーザーたちが、火に油に注ぐような形で反論するなど全く鎮静しない。そのうち実際の仕事に支障が出たり、殺人予告の投稿までされると言う、本当に痛ましい事実にまで及んだ。

当時は2ちゃんねるの対応も不十分だったこともあり、また2006年に初めて管轄の警察署に問い合わせた時には、まだネットの普及率も低く、担当の警察もきちんとした対応できない環境にあった。なぜここで無実の罪で殺人犯呼ばわりされた事を警察がきちんと対応してくれなかったのだと思うかも知れないが、そうした社会背景が災いしたと思う。

そうした経緯もあり、スマイリーキクチさんは、ストレスから急性神経性胃炎を患ったり、道行く人や見ず知らずの人が中傷者であるような疑心暗鬼にもかかるようになっていた。国内だけではなく、なぜか海外からの書き込もあったようだ。

ようやく 2008年8月になって、警察が本格的に取り組むことになり、スマイリーキクチさんは事件と無関係であることを証明された。そしてこれからもコメント欄で誹謗中傷を行う者への刑事告訴を警告した。
一方、この頃は韓国でもネットによる誹謗中傷で芸能人が自殺をしたり、様々なネット関連の事件が表沙汰になってきた頃だった。社会もこうしたネットが起こす危険性に気づき始めたといってもいいだろう。

さらに、この頃になると、本人だけではなく、恋人や親戚の子供にまでその被害が及ぶ様になる。スマイリーキクチさんだけでもかなりの問題になっているのにも関わらず、その被害が親戚の子供にまで及ぶという事は本当に痛ましい現実だ。そしてこの頃になってようやくスマイリーキクチさんはネット犯罪に理解ある警察の方に協力を仰ぐ事が出来るようになった。警察と協力体制を取って、2009年までに、悪質な中傷者なの一斉摘発がされたのだ。

対象となった誹謗中傷者はなんと数は19名!そのほとんどが一般的な社会人として生活している普通の人だった。スマイリーキクチさんとは何の関係もない人たちばかりだった。

ここで考えたいのは、中傷者たちのほとんどが、自分が悪い事をしているという自覚がなく、むしろ自分たちが「殺人犯」を成敗しているという正義感で書き込みをしていたという事実だ。

ミイラ取りがミイラではないが、犯罪者を追い詰めるつもりが、自らが犯罪者となってしまっていた事だ。

これは他人ごとではない。身近な私たちの生活の中にその種常に潜んでいる。
彼らは世間が「悪者」「犯罪者」と疑っている者を、そのうわさだけで判断し、攻撃した。しかしその裏には、自分自身の身に起こった不幸な出来事やストレスを発散する代替として選んでいたのだ。

事実、中傷者は、職場で受けていたストレスの発散や精神的に落ち着かない自分を回避するためにその行動に出た者が多かったようだ。一時的に解消すると言う安易な道に走ってしまったと言えばそれまでかも知れないが、これは私たちの身の回りに日常的の起こっている事だ。

こうしたささいな心理的きっかけが発端で、痛ましい犯罪が起こるということだ。なぜ?と思うかもしれないが、私たちはいつ自分が殺人犯になるかわからない危険性をはらんでいるという事だ。



殺人犯ではないのになぜ?スマイリーキクチ以外にも被害者が出る現実

スマイリーキクチさんの中傷は痛ましい事件ではあるが、もしかしたらそうした犯罪の根本となる経緯を追求することで、こうした犯罪や事件を未然に防ぐ糸口がつかめるかもしれない。

これは何も誹謗中傷に関わる事件だけではなく、あらゆる実際の犯罪を未然に防ぐと言う、犯罪に対する新しい対処方法のきっかけになるのではないだろうか。

日本も含め、現代社会は、事件や事故もそうだが、病気でさえも、なぜかその対象となる原因を「起こってから直す」と言う後付け的な治療や対処に全力を注いでいるように思う。

しかし本当に大切なのは、犯罪であれ、事故であれ、病気であれ、それを「未然に防ぐ」ということだ。

こうした、いたたまれない中傷被害は、その犯罪や病気を未然に防ぐ、殺人犯を生み出さないと言う、一番大切な根本を見直す良いきっかけになって欲しいと心から願う。

私たちの社会は一見進んでいるように見えるが、まだまだ幼く、ようやく本当の文明社会を作り上げる「入り口」に来ているのかもしれない。

痛ましい中傷事件はスマイリーキクチさんだけではない。元AKB48の川崎希さんもなぜかわからずに被害にあったし、最近では木村花さんが不幸にも中傷被害に会い、その一端が自殺の原因にもなったと噂された。スマイリーキクチさんについても、未だに中傷の書き込みが入るというのがその現実だ。いまだに中傷や殺人犯呼ばわりされる事があるなんて本当にぞっとする。

現在、スマイリーキクチさんは、自身の体験を全国各地の学校などに、身の体験を伝える講演などの活動を行い、フェイクニュースの恐ろしさ、誹謗中傷の恐さ、そしていつ自分が誹謗中傷を受けるようになるのか、そして誹謗中傷する側になるのかといった危険性をはらむことを伝えている。

ネットの進化により、私たちひとりひとりが「情報発信者」になる事が出来るようになった。私たちはなぜ?と思う理由を考える暇もなく殺人犯になる危険性をはらんでいる。

昔、尊敬する編集者から、「言葉は命なり」という格言を頂いた。その言葉、をこうした痛ましい事件に触れるたびに思い出す。

言葉は命、その命を生かすも殺すもあなた次第だ。


スマイリーキクチはなぜ殺人犯にさせられた?

Author: mediapromotion